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産婦人科診療ガイドライン 産科編(2023年版) CQ204 反復・習慣流産患者の取り扱いは?

CQ204 反復・習慣流産患者の取り扱いは?

A1 反復・習慣流産患者に接する際には、精神的支援を行いカップルの不安をできるだけ取り除く(B)。

A2 反復・習慣流産患者には以下を説明する(B)。

 1)加齢と既往流産回数の増大は次回の妊娠成功率を低下させる。

 2)Answer 3に示す検査を行っても原因が特定できないことがある。

 3)原因が特定できない場合、既往流産は胎児染色体異数性を繰り返していた可能性がある。

 4)原因が特定できない場合、確立された治療法はない。

 5)原因が特定できなくとも、特に高年齢でなく既往流産が3~4回の場合、次回妊娠の60~70%は無治療で継続できる。

A3 反復・習慣流産の原因検索の際には以下の検査を行う。

 1)抗リン脂質抗体(ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体もしくは抗カルジオリピンβ2GPI抗体)(A)。

 2)カップルの染色体検査(検査の意義、生じうる結果と対応に関する説明に対してカップルが希望する場合に実施)。(B)。

 3)子宮形態異常検査(経膣超音波検査、子宮卵管造影、子宮鏡など)(A)。

 4)新たに流産した場合、流産組織(胎盤絨毛あるいは流産胎児)の染色体検査(C)。

 5)甲状腺機能検査(C)。

A4 原因特定の有無にかかわらず、その後の妊娠では不安を緩和する精神的支援を行う(B)。