生殖医療専門医試験を受けよう!

生殖専門医を目指す産婦人科医のブログです

産婦人科診療ガイドライン 産科編(2023年版) CQ202 妊娠12週未満の流産診断時の注意点は?

CQ202 妊娠12週未満の流産診断時の注意点は?

A1 患者・家族への共感的態度を基本に、流産の原因や反復流産の可能性についても説明する(B)。

A2 異所性妊娠(正所異所同時妊娠を含む)の否定に努める(A)。

A3 1)胎芽・胎児が確認できない場合、1~2週間以下の適切な間隔をあけて複数回診察したあとで、稽留流産と診断する(B)。

  2)胎芽・胎児は確認できるが心拍が確認できない場合でも、患者への配慮を行ったうえで、複数回の検査を行うなど慎重に稽留流産と診断する(B)。

A4 流産診断後の取り扱いは以下のようにする。

 1)稽留流産・不全流産・進行流産

  ①待機的管理、あるいは外科的治療(子宮内容除去術)を行う(A)。

  ②待機的管理には以下のリスクがあることを説明する(B)。

   (1)予期せぬ出血

   (2)子宮内容遺残による予定外の入院・手術

   (3)胞状奇胎の診断遅延

  ③外科的治療には以下のリスクがあることを説明する(B)。

   (1)子宮穿孔

   (2)子宮頸管裂傷

  ④中等量以上の出血が持続する場合・子宮内感染を併発した場合は外科的治療(子宮内容除去術)を行う(C)。

 2)完全流産は外科的治療(子宮内容除去術)を行わずに経過を観察する(C)。

A5 待機的管理においても、血液型検査(ABO式およびRh式)は実施する(C)。